sfumita7
ちょっとだけアートのはじまりの話
更新日:2022年2月20日
アートとは 昨今、アートが教養や教育だけではなく、創造性や美意識、アート思考などこれまでとは違った視点でビジネスマンにも注目され見直されていますが、そもそもアートって何?でしょう。アートは、美術館や美術の教科書に載っていた画家や彫刻家がつくった芸術作品?でしょうか??アートには、「影響」「技」「術」「創造」…さまざまな意味があり、国や時代の違いによってもその意味は変わってくるし、ちゃんと定義づけされていません。 学校教育や社会人講座など、さまざまな世代に向けたアート指導の現場で 「どんなアートをしたいですか?」という問いに対して「写真、絵画、映画、彫刻…がしたい。」といったモチベーションではなく限定された制作手段を答えてしまう人がほとんどです。「どんなことがしたいですか?」と質問をかえると 「旅、開発、物語つくり、ゲーム、冒険、新発見、人助け、研究、語り部、教育…」と答えます。そんな時代を象徴する人々のさまざまな欲求・願望、ワクワクさせてくれるモノゴトこそ、その時代のアートといえるのです。

Dalton Ghetti
アートのとらえ方によって”芸術のはじまり“を古代エジプトのピラミッドにファラオと一緒に埋葬された副葬品と考える人もいますし、美を定義づけた古代ギリシャ彫刻、あるいは4万年前の石器時代に描かれた最古の壁画だと考える人もいるのです。そうなると人類初の芸術家は石器人に生まれたとも考えられるのです。

アートの「原因と結果」
19世紀フランスパリでは、若き芸術家たちがモンマルトルの丘のバトー・ラヴォワール(洗濯船)を憧れ愛し、引き寄せられるように集まり、お互いをリスペクトし切磋琢磨していました。
そんな街の小さな一角から世界を大きく変える芸術作品(新しい価値観)が次々と生み出されていきました。
産業革命が起こったイギリスでもそれまでの芸術を引き継ぐ保守的な新古典主義とその頃、時代を台頭した革新的なロマン主義の芸術家たちが、それぞれの信じる表現を主張し対立しながらも創造性を高めていき、サイエンス、アート、思想、世界の経済までも大きく揺るがす爆発的なパワーを発信していたのです。
14世紀のイタリアのルネサンス期では学術的な縛りがなく、お互いの考え方や気づきと技術をぶつけ合いながら研究を繰り返し、数千年前の古代ギリシャ人は自由を愛し身体と精神を調和させ、古代エジプト人は、誰も観たことのない死の世界を書に綴り想像力を覚醒させていきました。
[art]は、ヨーロッパやアメリカで育った概念
•「art」を翻訳するために日本が生み出した言葉「芸術」
•「art」=「リベラル・アーツ」の意味
•リベラル・アーツとは「すべての人に必要とされた学問」 ≒ 哲学 「人が持つ必要がある技芸(実践的な知識・学問)の基本」
•リベラル・アーツの7つの科目[ギリシャ・ローマ時代に理念的な源流を持つ] 文法学:言葉を正しく使う方法を学ぶ 修辞学:他人を論破する方法(弁論術、雄弁術、説得術)を学ぶ 論理学:思考のつながりを明確にする方法を学ぶ 算術 :計算方法を学ぶ 幾何 :図形や空間の性質について学ぶ 天文学:宇宙の性質や法則を学ぶ 音楽 :音の性質や理論を学ぶ

アートヒストリー
古代美術(~4世紀)
キリスト教美術(5世紀~)
「伝統的な主題:キリスト教・神話/教え、道徳、理想」
近代美術:革命の時代・産業革命(19世紀)
「伝統の解体:ロマン主義が台頭した時代」
印象派:新しい基準(19世紀~)
「画家の実際の視覚体験を見る人に伝えること」
モダンアート(19世紀後半~)
「否定:伝統とのつながりを断つ]
コンテンポラリーアート(20世紀~)
「アートの価値観の再構築」
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『みて感じるアートの4万年物語』に続く