アインシュタインが残した言葉
「直観は聖なる授かりものであり、理性は誠実なる従者である。私たちは従者を敬う社会
をつくり、授かりものを忘れてしまった。人の脳に備わる本当に大切な能力、
知覚・直感・想像力・創造力を 近代社会や教育で、ないがしろにしてきたことが
現代社会に影響している。」
「学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、
それこそ教育だ。」
1921年、ウィーンでの講義中の理論物理学者アルベルト・アインシュタイン
誰かの出した答えを目指す必要はない。 答えはいつも自分で創造していくもの
ピカソの凄さを改めて感じている。作品性といったところよりも芸術活動の視点を変えたところに興味をそそられる。
戦争の悲しみ、憎しみ、悔しさ、苦しさ…が表現された『ゲルニカ』。
ドイツ兵から「この絵を描いたのはお前か。」と聞かれた近代美術の巨匠ピカソは
「この絵を描いたのは、あなたたちだ。」と答えた。
『ゲルニカ』1937年 パブロ・ピカソ
学校での評価も成績も低かったニュートンが、その後の世界に大きく影響する発見を立て続けにしていったのは、誰かが出した答えを追いかける人たちを評価する世界の中で、自分の疑問に対して、実際に目で確かめたことしか納得しワクワクできなかったから。
自分の直観を信じて素直に実証をしていった。
評価のための学びは、本質を失っている
『何の志も無きところにぐずぐずして日を送るは、実に大馬鹿者なり』 坂本龍馬
理解する喜びを知って追及する欲求が生まれる。能動的な学びが、あらゆる思い込みや決めつけられた枠から人を開放してくれる最も楽しいこと。
絵を描くことは楽しみながら思考力、感覚が磨かれていく。絵を描くことで、それまで見えなかったことが見えるようになってくるから楽しくて、ものごとへの理解や実感が速い。
受動的にすり込まれるのではなく、能動的に気づくことで自信、実力になる。皆と同じものを日常で見て、同じような環境の中で、他の人が気づかなかったことが気になり、気になってしょうがなくなり探求が始まる、それが発見。
『最も高貴な喜びとは、理解する喜びである』 レオナルド・ダ・ヴィンチ
「凡庸な人間は、注意散漫に眺め、聞くとはなしに聞き、感じることもなく触れ、味わう ことなく食べ、体を意識せずに動き、香りに気づくことなく呼吸し、考えずに歩いてい る」とレオナルド・ダ・ヴィンチは嘆き
「あらゆる“楽しみ”で、感覚的知性を磨くことができる」と提唱していた。
自然と心が躍る、心を動かす美意識を身につけるために好きなことをみつける、気づいていける時間が貴重。
「絵や歌が好き」「人が喜ぶことをやりたい」「散歩を楽しめる」。何時間でも続けてできることが、その人にとって“秀でた芸“。
『直観は聖なる授かりものであり、理性は誠実なる従者である。私たちは従者を敬う社会 をつくり、授かりものを忘れてしまった。人の脳に備わる本当に大切な能力、知覚・
直感・想像力・創造力を近代社会や教育で、ないがしろにしてきたことが現代に影響し ている。』 理論物理学者 アルベルト・アインシュタイン
『人の世に道は一つということはない。 道は百も千も万もある。』 坂本龍馬
芸を志すものは、まず基本を学ぶ
『型ができていない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。型がしっかりした 奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか?』 立川談志
古代ギリシャにおいて美の基本は、心身の動揺を伴うような強い感動(emotion)をどれほど人に与えられるかにあった。その頃はアートといった学術的な縛りはなく、教育や学問の目的が共通して人類にemotionを与えることだったといえる。人の心を動かす本質を真剣に考えていた人たちが古代から近代までいたからこそ、今がある。
そもそも“基本”とは専門的な知識でもスキルでもなく、使い慣れていない新しい感覚を呼び覚ますこと。
『日本を今一度 せんたくいたし申候』 坂本龍馬
絵を描くことの楽しさを思い出す
壁や地面に描いた絵、クレヨンで描いた夏休みの思い出、着てみたいドレスや試してみたい髪かみがた型の絵、絵ハガキ、友達や先生の似顔絵、教科書に描いたラクガキ……。子どものころを思い起こせば、ほとんどの人にとって絵は身近な存在だったと思います。今絵が苦手という人はいつから描くことが楽しくなくなったのでしょう。
幼いころは、描く絵に「正解」を決めつけていなかったので、うまいもへたもなくワクワクして好きな色で自由自在に塗ったり線を描いたりしていました。
それが年頃になるにつれ、人によっては漫画やアニメのキャラクターを描き写したい欲求が出てきて、上手に描けるクラスの人気者と比べてしまい、絵を描く才能の有無を決めつけていったのではないでしょうか。
あるいは美術館や画集、美術の教科書などで写真のように描かれた写実絵画や個性的な名画に出会ったときに
「自分には画家のような絵を描くことはできない」と思い込み、いつの間にか描く絵の「正解」を勝手に決めて
「写真のようにうまく描き写せないから恥ずかしい」と絵を描くことを避けるようになっていった人も少なくないと思います。
大半の人が絵を描けないのではなくて、描かなくなったから
「苦手だ」と思い込んでいるのです。
絵に正解はありません。誰だれかに評価されることや喜ばせたり驚おどろかせたりするためではなく、自分がワクワクできればいいのです。まずは絵を描きはじめることが大切です。どんな目的であっても絵を楽しんで描く習慣がつけば、誰だれでも上達していくのです。
『果物と壷のある静物』 アンリ・マティス
実社会に通用する実践的な美術教育プログラム
『社会で求められる成長教育』 【社会で重視される要素:コミュニケーション力・主体性・チャレンジ精神・協調性】 ・相手の視点で発想し工夫できる ・社会情勢や環境変化に対応できる ・様々な環境から物事を捉えられる ・積極性がある ・正解のない中で、主体的に取り組みチャレンジできる力 ・価値の転換ができる発想力 ・創造性がある
まずは、東西の歴史を”視点の歴史”として捉え、一人のクリエイターの才能で世界が動
いてきたのではなく、社会と個人、また人同士の関わり(コミュニケーション)により、
変貌する社会環境へ順応したことでイノベーションが起こってきた“アートヒストー“と
して見直していきます。この研究は実社会で機能していくための要素を読み解いていくこ
とになります。
能動的な人材を育てることが求められている今、美術教育においても「教え育てる:教
育」という姿勢ではなく「共に学び育つ:共育」を意識した指導法が大切だと考えていま
す。また、
【次世代(大人も含め)がゲームやユーチューバーにハマってしまう理由】 ・創造性がある ・自分の行動に対する評価や報酬が明確 ・評価があがれば出来ることが増える ・出来ることが増えるともっと評価される ・出来ないことは道具や仲間の力を借りることができる ・失敗してもやり直せる
これら”共感“される評価・考え方は、次世代の子育てや教育にも必要です。
※ゲームに学ぶ、モチベーションが持続する”探求と学び”の流れ
⓵単純な問題の解決を重ね(経験)、基本スキル(アイテム)を学ぶ
↓
⓶学んだスキル(アイテム)をすぐに使うことで身につける⇒自信
↓
⓷徐々に複雑な問題を解決することを目的としたクエストを経験する
↓
⓸あるレベルから別のレベルに進み、応用力を身につけていく
↓
⓹最終的なプロジェクト(ラスボスを倒す)に至る
『美術教育の社会的効用(観察・思考・伝達)と可能性』 「デザインとは単にどのように見えるか、どのように感じるかということではない。
どう機能するかだ。」 スティーブ・ジョブズ
【社会で機能する美術教育(創造性を磨く)ルーティーン】 ・問題を的確に発見する情報収集 (見つける力 = リサーチ力) ・問題を解決する情報整理 (考える力 = 視点、考え方の発見・発想) ・情報のビジュアル(具現)化 (伝える力 = 伝達力・表現力) 医者が、患者に問診し専門知識と医療スキルを駆使して治療をするように
クリエイターが、問題点を正確にリサーチし専門知識と技術を駆使した的確な判断に
よって“答えのない問題“を解決していく力が創造力。創造力を磨いていくために
美術教育の基本であるデッサン指導を見直していきます。
絵の上手い下手の違いではなく、重要な情報を的確にとらえる力、ものごとの構造を
見極められること、頭の中のイメージ(ビジョン)を絵に描き伝えて他者と共有して
いける能力、構想している計画や企画を具体的に展開していく能力(プランニング)
といった創造性が身につけていける美術プログラムの開発と共に新しい指導ができる
教育者の人材育成も並行して計画し実施していく必要があります。
『人と社会を育てる美術教育』 【社会に機能する授業フロー】 リサーチ ワーク⇒アート&デザイン ワーク(個人orグループ)⇒プレゼン ワーク(⇒
リサーチ ワーク:フィードバック⇒)
このフローを根幹として、スパイラルのように繰り返し展開していくことで創造性の
精度を高めていきます。 クリエイターが続けてきたフローをファンダメンタル化して具体化し開発した
コンテンツを目的に合わせてカスタムしていけばすべての仕事に導入できる
プログラムとなります。 社会で機能する美術教育プログラムとその指導者がすべての分野から求められ、
必要とされている今日、このフローの工程の意味、重要性を理解できれば、どの分野、
どんな課題でも実社会に通用する実践的な美術教育プログラムとして
開発していくことができます。
若きアレキサンドロス王と家庭教師の哲学者アリストテレス.jpg
実験をして疑問を実証する自然哲学者、物理学者 アイザック・ニュートン
人に必要なこと。教育で問われている”知識”か”考える力”か? その前に必要な問題点を見つけ出す力、違う視点に気づく力、知らないことを受け入れる力が答えのない問題を解決していく創造力につながる。やはり人には心身の動揺を伴うような強い感動から沸き起こる欲求が必要だと思う。
美術だけではなく学校教育での評価の問題は本当に難しい。現在、文部科学省は未曽有の教育大改革(高大接続など含み)に取り組んでいるが、実は”評価”の問題が大きなカギを握っている。企業研修でもプログラム内容よりも成果・成績をどういった視点で判断するかなど社会においても人材育成の評価について見直しが必要とされている。
教育者のすり込みによるコピーでは、学生の可能性を限られた枠に閉じ込めてしまうので、どんな場面でも教育者ではなく共育者でありたいと思う。
社会でも教育より共育が求められていると感じている。その方が相互に成長する喜びがある。
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