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執筆者の写真sfumita7

絵を文字のように描く

更新日:2024年6月23日



漢字も絵の1つ?


「絵を描きたいけど人前で描くのは恥ずかしい」

「上手になってから披露したい」

そのように思っている人が多いかもしれません。そういう場合は、

「絵の役割は視覚情報を伝えることである」

ということを改めて考えてみましょう。


たとえば私たちが意識することなく使っている「漢字」は、象形文字がもとになっているといわれています。よく挙げられる例ですが、


「木」という漢字は、まっすぐな幹と枝、地中の根っこ、という絵が、だんだんとシンプルに記号化されたものです。





この漢字の成り立ちに思いをはせると、漢字は情報伝達に特化した「絵」であることに気づくのではないでしょうか。

ほかにも街中にあふれている標識や案内板に描かれたピクトグラムを頭の中で思い描いてみてください。


青信号の中の歩く人のピクトグラム、赤信号の中の立ち止まっている人のピクトグラム、これらも情報伝達に特化した「絵」です。


漢字にしてもピクトグラムにしても、線だけで簡単に表現できて、見ただけでダイレクトに情報を伝えられる立派な「絵」です。

このように絵を情報伝達手段としてとらえれば、写実的である必要はありませんし、芸術性といったむずかしいことを考える必要もありません。

こうやって考えれば、絵を描くことのハードルはぐっと下がるのではないでしょうか。


▲東京オリンピックで考案されたピクトグラムも情報伝達に特化した絵




絵は世界共通の言語


 たとえば「赤色」という言葉を聞いて1つ画像を思い浮うかべてみてください。数人でやってみて、それぞれが頭の中に浮かんだものを絵に描き見せ合うことで、言葉や文字から想起されるものの違いに気づくことができます。

ある人はトマト、ある人は赤信号など、さまざまな絵が描かれるでしょう。



 「話し合いで、同じ目的なのになぜか意見が食い違ってしまう」という経験をした人は少なくないはずです。


 普段の意思疎通では、ほとんどが言葉や文字を使っていますが、その言葉から想起されるイメージ画像は、人によってまちまちなのです。

 人は考えたり理解したりするときに頭の中では自分なりのイメージ画像を思い浮かべています。そのため言葉や文字よりも、絵のほうが、自分の考えを正しく伝えられるし、相手との間で認識のズレが起こりにくいのです。





 もし、視覚情報である標識や案内板が、すべて文字情報に代わってしまったらその場で正しい判断ができるかを想像してみてください。

 慌てている場合は特に、自分の勝手な思い込こみから勘違いや読みまちがいをしやすくなるかもしれません。絵だからこそ、誰もが一瞬で同じ内容を認識できるのです。

 このように、絵は言葉を超えた「共通の言語」といえます。




ベストセラーになった著書『伝わる絵の描き方』


 この本は、これまでにないデッサンの教科書を作りたい、という想いからスタートしました。まったく描けない人から、もっとうまくなりたい人まで、あらゆるレベルの人が読めるように、なるべく専門的な言葉は使わずに、そして比較的やさしいけれど達成感のある題材を選んで解説したのが特徴となっています。

   また、デッサンの解説は感覚的になりがちですが、OCHABI artgym のコーチ陣それぞれが持つノウハウを1つ1つ分解して、できるだけ丁寧に描き方を解説しました。その結果、まったく新しいデッサンの教科書ができあがったと自負しています。


著書

“絵心がなくてもスラスラ描ける!

『線一本からはじめる 伝わる絵の描き方』ロジカルデッサンの技法“より






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