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  • 執筆者の写真sfumita7

脳も筋肉

更新日:2月20日



写実画が描ける人は、妄想も具体的に展開できている


絵を描いていない人に比べて頻繁に落書きをしたり、思ったことを絵に描いたりしている人は妄想に具体性があり深い。筋肉を鍛えて、身体の動きを訓練しているアスリートが速く走れたり、高く飛べたり、自在に体を操れることと同様に創造する脳も筋肉なので、鍛えることで視覚的な思考が磨かれている。

思ったこと考えたことを具体的な絵に描ける人は、夢みる情景(ビジョン)も細部まで実在感がある。


『ガラテイア』1512-14年頃 フレスコラファエロ



 洞察力、企画力、計画力、発想力、構築力など創造性を磨くには、思ったこと考えたことを絵に描く習慣をつければいい。


考えたことは絵に描くと実現を引き寄せる。絵を描くと心と体がクリアーになる。ただ頭の中だけで漠然とイメージするよりは、実際に紙面に絵を描き、視覚で確認していった方がイメージを的確に修正でき、発想を具体的に展開していきやすくなるので、理想の現実に近付けていくことができる。


『聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ』1499年 - 1500年 レオナルド・ダ・ヴィンチ



普段、目にしている物事を絵に描くつもりで観てみるといろんなことに気づきだす。 絵は、思い込みや見たつもり、知っているつもりでは描けない。


物事は「見る」のではなく「観る」ことが重要で、 書物のように「読みとく」「理解」する感覚が大切。


『ヤギのクロッキー』 ヘンリー・ムーア


『たくましい手』 ヘンリー・ムーア


『彫刻のための人物習作』 ヘンリー・ムーア


『眠る女たちの習作』 ヘンリー・ムーア


『人物習作』 ヘンリー・ムーア



 デッサン力があるということは、絵の上手い下手の違いではなく情報を収集する力や伝達する能力、ものごとの構造を見極められることや構想している計画や企画を具体的に展開していく能力。

頭の中のイメージ(ビジョン)を絵に描き出す感覚を磨くことが、日常生活や一般的な仕事で見直されてきている。


レオナルドがチェーザレ・ボルジアの命令で制作した、非常に精密なイーモラの地図


 2次元ではなく3次元で考える。経営の神様である松下幸之助が 「経営とは、白紙の上に平面的に価値を創造するだけではない。立体というか四方八方に広がる芸術である。となれば、経営者はまさに総合芸術家。」と言っている。


『相対性』 1953年 マウリッツ・エッシャー


 世界の中で、日本人は絵が上手い民族。日本文学も俳句もビジュアル的な言語。生け花も茶道もビジュアル的な文化。日本の文化は映像文化。日本人はビジュアル人間。ビジュアルを巧みに操る民族。だから日本アニメや漫画は世界から支持される。そのDNAをもっと教育や仕事に活用できる。


名所江戸百景 『亀戸梅屋敷』 1857年 歌川広重 


つまらなくなると脳も心も引きこもってしまう。 好き、楽しい、嬉しいと感じることで心身ともに磨かれていく。 脳も筋肉、モチベーションが高くなると発達していく。

 絵も視覚だけではなく、どれだけ五感機能を使って描いているかで その表現の深さ、説得力に差が出る。理解することで脳が喜ぶ。


富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』 1831-33年(天保2-4年)頃  葛飾北斎



絵は、脳を活性化させるための手先の運動と考えた方がいい。体を動かした方が喋りやすかったり、考えがまとまったりする。デッサンは本番に失敗しないための練習ではない。 手先を動かした方が、脳が活発に働いて新鮮なアイデアも浮かぶ。

 アイデアを絵に描くことで、具体的になり行動できる。


『レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿』より


アインシュタインが残した言葉


「直観は聖なる授かりものであり、理性は誠実なる従者である。私たちは従者を敬う社会を

   つくり、授かりものを忘れてしまった」


1921年、ウィーンでの講義中のアルベルト・アインシュタイン



人の脳に備わる本当に大切な能力、知覚・直感・想像力・創造力を近代社会や教育で、ないがしろにしてきたことが現代社会に影響している。 美術教育が、人や社会を育てる。

 よく観ること。しっかりと感じとること。多角的な視点を持つこと。伝え方を工夫すること。本質を探ること。違和感を見つけ解消していくこと。知らないことに気づいていくこと。創造すること。これら生きるために大切な感覚機能を美術教育で磨ける。


『聖マタイの召命』1600年 カラヴァッジョ


見たいものしか見ていない。見ているようで観ていない。よく観るということは、意識して確認するということ、事実を確認して思い込みではなく、本当のことに気づいていくということ。よく観る人が増えればもっと安心できる優しい関係が広がっていく。


『紅白梅図屏風』 尾形光琳



絵は、楽しみながら思考力、感覚が磨かれていく。絵を描くことで、それまで見えなかったことが見えるようになってくるから 楽しくて、ものごとへの理解や実感が速い。

 受動的にすり込まれるのではなく、能動的に気づくことで自信、実力になる。


『群鶏図』 宝暦11年(1761年)-明和2年(1765年)頃 伊藤若冲



見えないものが見えるようになる。若冲の「群鶏図」にみられるような驚異的な細密描写と、オディロン・ルドンの顕微鏡で覗き見るような絵の世界観には共通点がある。いずれも表面的な写実描写に留まらず、リアルな仮想世界にまで到達して描いている。

 

『花瓶の花』1912年-1914年 オディロン・ルドン



何か才能や技術がないと創作、表現をすることが出来ないと勘違いをしている方がたくさんいます。絵にしても小説にしても勉強、仕事や遊びにしても大切なのは突き動かす衝動であり、その衝動を誰かに伝えたいという欲求があるということです。

 だから芸術の本当の魅力は、才能ではなく”強い想い”から浮き彫りになっていく作者自身の生きざまとそこから生まれた独特な表現なのです。


『ひまわり』1888年8月、アルル フィンセント・ファン・ゴッホ



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