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絵は思いを伝える視覚情報
更新日:2022年5月21日

『凱風快晴』 1832年 葛飾北斎
創造性はアートの世界だけではなく、繰り返される実生活の中でこそ効用を発揮する。
自分の視点が変わることで世界の見え方が変わる。
アートに触れることで、日常を非日常に変えるのではなく、
あまりにも日常的で当たり前のこととして見過ごしている”奇跡”に気づいたり、見直したりして視点が多角化して視座が変わり、結果的に今までの日常が変わる。
芸術家たちは
いつの時代も新しい価値を探し求めて、未知の領域への挑戦を繰り返してきた。
だから、時代時代に必要とされるアートが社会変動と共に変貌し続けている。
『絵を描くことは』
脳を活性化させるための手先の運動と考えた方がいい。体を動かした方が喋りやすかったり、考えがまとまったりする。
絵を描くことで手先と脳とが連動して活発に機能していき、新鮮な発想が浮かぶ脳のストレッチになる。

『彫刻のための人物習作』 ヘンリー・ムーア
『絵を描くことで』
それまで観えなかったことが観えるようになってくるから
楽しくて、ものごとへの理解や実感が速い。
受動的にすり込まれるのではなく能動的に気づくことで自信、実力になる。
料理、絵、小説などの創作やスポーツ、好きなことをすることは
楽しみながら思考力、感覚が磨かれていく。
『花を育てたり』
絵を描いたり、歌ったり、小説を書いたり、運動したり、散歩したり…、
「あらゆる楽しみの根底には、感覚的知性を磨くという真面目な一面がある。」
とレオナルド・ダ・ヴィンチは提唱していた。 『レオナルド・ダ・ヴィンチは』
あらゆる楽しみの根底には「感覚的知性」を磨くといった真面目な目的があると提唱していた。本を読んだり、庭いじりをしたり、絵画を学ぶことやイラストやマンガを描くことも、そういった感性を磨く「楽しさ」のひとつ。

『脳や身体を最も進化させる体験』
創作することは一気に色んな感覚を連携して使う。
どんな仕事だって脳と身体の連動と進化が必要。
真実は教えられるものではなく、体験することでしか理解できない。
『新鮮に感じたり、元気をもらえたりするものは正しい』
当たり前すぎて、見過ごしている奇跡を拾い集めてかたちにしている人たちがクリエイター。埋もれている情報を新しい視点で組み合わせて価値転換を起こしている。活かし方で無駄なものはなくなる。 『毎日を新鮮に向かえること』
脳や身体を最も進化させるのは創造性。見つけた物や気づいた事を絵にしたり文字にしたりする創造は、一気に色んな感覚や体の機能を連携して使う。
どんな仕事だって、脳と体の連動と新しい視点や考え方の展開が必要。
『感覚や創造性を磨くことが現代社会で見直されてきている』
「デッサン力」があるということは絵の上手い下手の違いではなく
情報を収集する力や伝達する能力 物事の本質や構造を見極められること
構想している計画や企画を伝えられる能力のこと。

『聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ』 1499年 - 1500年頃
レオナルド・ダ・ヴィンチ
『本質を見抜くための』
必要最低限の基本技能(絵画技法だけではなく)は、 エッジ・スペース・相互関係・光と影・形態(ゲシュタルト)の5つ。 だから絵を描くことは世の中の物事を読み解く能力を磨くことに繋がっていく。

『跪く女性の衣装の習作』 レオナルド・ダ・ヴィンチ
『デッサン力があるということは』
絵の上手い下手の違いではなく情報を収集する力や伝達する能力、ものごとの構造を見極められることや構想している計画や企画を具体的に展開していく能力。 頭の中のイメージ(ビジョン)を絵に描き出す感覚を磨くことが、日常生活や一般的な仕事で見直されてきている。 『画力とは』
決して「写実力・描写力」の範囲に止まるものではなく、
むしろ「リサーチ力・構築力・伝達力」といえる。
この能力は、デザイン・アート系の特殊な職業だけではなく、
日常生活や一般的なすべての仕事にも必要で大切なスキルといえる。

『デッサンは』
モチーフを単に写し取るだけの表面的な描写の作業ではない。 「デザイン」という言葉の語源と同じラテン語のdesignare(デシネーレ)。 計画を記号に示す、図案、設計図、意匠の本質を捉える意味がある。


レオナルド・ダ・ヴィンチ 手稿
『デッサンを描くことで』
必要な観察眼とは表面的な描写力だけではなく、 対象となるものごとの構造やその周りからの影響を読み解き、理解する力である。 このリサーチ力、思考力、伝達力は絵を描くことにとどまらず、 様々な仕事にも必要とされる。

『ほつれ髪の女性』 1508年頃 レオナルド・ダ・ヴィンチ
デッサンは、鉛筆や木炭・コンテなどの画材を使って、モチーフを写真の様に写し描いていく修行のようなイメージを持たれている方が多いようですね。勿論、造形力を磨くために何枚もデッサンを描くといったこともありますが、そもそも「デッサン・デザイン」とも同じ語源である「designare(デシネーレ)」は、計画や考えを示すという意味をもつ設計図や企画書みたいなものです。

対象(モチーフ)を表面的に写し描かれたものがデッサンではなく、対象の特徴、内部の構造、本質など多角的な視点でとらえる(観察:リサーチ)力、的確に情報を読み解いて意をもって再構築する(思考:コンセプト)力、誤解がないように分かりやすく伝える(伝達:デザイン)力、これらを総合して描いたものがデッサンです。
なぜデッサン力が、「アート&デザイン(特殊な職業)」以外の一般社会人にも効用があり必要なのか?

一般企業の方たちもクライアントから依頼された、あるいは望んでいる考えや目的を正確に読み解き、コンセプトを構築し、商品化やサービスとして提供、伝達していく必要があります。
クライアントと目的を共有するために絵に描ける(思考を視覚化する)ことでコミュニケーション能力も向上していきます。こういったいわゆる画力だけではなく、観察力・思考力・伝達力といった社会を生き抜くために必要となる感覚機能が、デッサンを学ぶことで身につけて磨くことができるのです。

教育機関だけではなく、企業や行政の職員の方に向けてデッサンレッスンを取り入れた研修も実施しています。
「一般企業と美術学校の組み合わせって不思議?」 社会人に共通して求められる力である、本当の問題点を発見して、その答え(将来のビジョン)を自ら創造し、そのビジョンを実現(解決)していくための感覚機能(観察力・思考力・伝達力)いわゆる創造性と視覚化が、デッサンの効用といえます。