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反復の効果

  • 執筆者の写真: sfumita7
    sfumita7
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分


デッサン習得においても「反復して同じモチーフを描くこと」と「新しいモチーフへの挑戦」の両方が重要であり、その実践は歴史的な巨匠たちにも見られます。


例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロは繰り返し人体素描や石膏像の模写を行い、観察力と構造理解を徹底して磨き上げました。こうした継続的な反復は特徴や形態の把握を深め、絵の上達を実感できる鍵となります。​


『人体スケッチ』 レオナルド・ダ・ヴィンチ
『人体スケッチ』 レオナルド・ダ・ヴィンチ
『ほつれ髪の女性』 1508年頃 レオナルド・ダ・ヴィンチ
『ほつれ髪の女性』 1508年頃 レオナルド・ダ・ヴィンチ
『人体スケッチ』 ミケランジェロ・ブオナローティ
『人体スケッチ』 ミケランジェロ・ブオナローティ
『人体スケッチ』 ミケランジェロ・ブオナローティ
『人体スケッチ』 ミケランジェロ・ブオナローティ

一方、ピカソやゴッホなども既存の題材を何度も繰り返す一方、新しい表現やモチーフへのチャレンジによって独自性を獲得しました。


『若きアルルカンの頭部』パブロ・ピカソ
『若きアルルカンの頭部』パブロ・ピカソ
『泣く女』 1937年 パブロ・ピカソ
『泣く女』 1937年 パブロ・ピカソ
『ひまわり』1888年8月、アルル フィンセント・ファン・ゴッホ
『ひまわり』1888年8月、アルル フィンセント・ファン・ゴッホ
低『星月夜』1889年 6月、サン=レミ ファン ゴッホ
低『星月夜』1889年 6月、サン=レミ ファン ゴッホ

ポール・セザンヌの「何を描くかではなくどう描くかが問題」という言葉は、彼が伝統的な絵画の目的から脱却し、絵画そのものの表現方法や構造を徹底的に探求したことを意味しています。 


『リンゴとオレンジのある静物』1895-1900年 ポール・セザンヌ
『リンゴとオレンジのある静物』1895-1900年 ポール・セザンヌ
『静物』1879-82年 ポール・セザンヌ
『静物』1879-82年 ポール・セザンヌ

印象派の作家たちも、現実的な再現を追求しつつ、挑戦的に新たなモチーフや技法に取り組むことで絵画史に新しい地平を切り開いていったのです。​


『踊りの花形』 1878年頃 エドガー・ドガ
『踊りの花形』 1878年頃 エドガー・ドガ
『ダンス教室(バレエ教室)』 1873-1875  エドガー・ドガ
『ダンス教室(バレエ教室)』 1873-1875 エドガー・ドガ
『出番を待つ踊り子たち』1879年 エドガー・ドガ
『出番を待つ踊り子たち』1879年 エドガー・ドガ
『睡蓮(Nymphéas) 』1916年 クロード・モネ
『睡蓮(Nymphéas) 』1916年 クロード・モネ
『睡蓮』 1905年 クロード・モネ
『睡蓮』 1905年 クロード・モネ



【歴史的画家の反復と挑戦】

・レオナルド・ダ・ヴィンチ:スケッチ帳に繰り返し人体や自然を描き、観察と分析を習慣化した。​

・ミケランジェロ:石膏像や人体を何度も素描し、構造理解から彫刻的大作へ発展させた。​

・ピカソ:同じモチーフ(例えば静物や人物)を繰り返し変奏しながら、新しい抽象表現へ挑戦した。​

・ゴッホ:自画像や花瓶の花など、複数回描くことで観察力を強化しつつ、表現技法を刷新した。​

 

【ポイント】

同じモチーフの反復は特徴の発見と理解の深化につながり、画力の変化と上達が明確に実感できる。​

巨匠たちが実践した反復と挑戦は、現在のデッサン学習でも本質を変えず有効な方法である。​

反復を基本に据え、新しいチャレンジを加えることで楽しさと成長が両立する。​

このように、歴史に残る画家たちのエピソードをふまえても、反復練習と新しい挑戦はデッサン上達のための最良の手段です。


 
 
 

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